野良犬の消えた街
子供の頃、そこら辺に犬が歩いていた。
首輪のついたもの、ついていないもの、いろいろいたが、中でも子犬は可愛らしかった。
まだ東京にも原っぱなるものがあり、自分たちの秘密の基地を作っていた。
そこに子犬を連れて行き、ミルクを容器に入れて与えると美味しそうに飲んだ。
そのうちすっかりなついてきて、誰かしらが交代で世話をするようになっていった。
その犬の名は、誰が名づけたのかポチだった。
多分、当時日本中でいっぱいいたであろう、最もポピュラーな名前に違いない。
いつの頃からか、街で野良犬を見かけなくなって久しい。
衛生上仕方ないのだろうが、あのときのポチの美味しそうにミルクを飲む顔が懐かしい。
ところで、犬のしつけは小さいうちからしておいた方がいいですよ。
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